毎日家と職場の往復で、
特に不満はないけれど特別楽しいこともない。
興味が湧くものがあっても、なかなか腰が上がらない。
そしてあっという間に時間は流れて、次の誕生日が迫ってきてることに気付く。
「あれ、私このままおばあちゃんになっちゃうの…?」
そんな思いが湧いてきてゾッとすることはありませんか?
でも新しいことを始めるのってすごく勇気がいりますよね。
そしてもしあなたがダイビングを始めようとしているなら
こんな不安を抱えているかもしれません。
・私、体力ないし、うまくできなくて周りの人に迷惑かけないかな
・女性一人ぼっちで心細い思いをするのは怖いな
きっとダイビングをやってる人も身近にいなくて
話を聞くこともなかったんじゃないでしょうか。
でも、大丈夫です。
体力がなくても、一人でも、ダイビングは楽しめます。
そして、ダイビングを通じてたくさんの出会いがあります。
ダイビングをきっかけに、毎日の生活がきっと変わります。
私とダイビングの出会い
退屈な毎日
私もダイビングを始める前はあなたと同じように
毎日をルーティンワークのごとく、ただこなすだけでした。
朝起きて、仕事に行き、帰宅後は家事をすませて、
Netflixを見ながらSNSを眺め、時間になれば寝る…
仕事も、5年目ともなればすっかり慣れ、
失敗することも不安になることも、わくわくすることも少なくなりました。
SNSで新しいことにチャレンジしている人を見て
「いいな」
と思う。
でもその直後に
「失敗したら」
が浮かんでしまう。
幼い頃から海が好きで、ダイビングはやってみたいと思っていました。
でもダイビングに関しても
「やってみたい」の次は「失敗したら」がまでがセットです。
気になるけど、女性一人で行く人なんているんだろうか…
そもそも私体力ないし、ダイビング器材って重そうだし。
このように言い訳ばかり考えて、
「いつかやろう」と永遠にこない“いつか”に期待していました。
きっかけは突然
退屈で平凡な毎日は、ある日突然ガラガラと崩されました。
3年付き合った彼にあっけなく振られたのです。
大学からの知り合いで、社会人になって再会した彼は
明るく活発な印象は変わらず、でも少し落ち着いていて
早く家庭を持ちたいと言っていました。
3年間の重みは、当然彼は私を選んでくれると勘違いさせてしまいました。
「将来を考えていたのは、私だけだったんだ…」
お腹は空いている、でも体が何も受け付けない
眠たい、でも目を閉じると感情がぐるぐる回って眠れない
3年も付き合っていれば、生活のどの瞬間にも彼との思い出があり
何をしてても涙が溢れてくる
今まで当たり前だったことが当たり前でなくなり、
私はどう生活していけばいいのか分からなくなっていました。
真っ暗な部屋の中で、唯一テレビだけが明るく
ただそれをぼーっと眺めるているだけ…
「これからどう生きていこう」
「これから楽しいことなんて、きっともうないんだ…」
そんな悲劇のヒロインはテレビに流れてきたある映像にハッとしました。
エメラルドグリーンの海
白い砂浜
カラフルな魚とサンゴ
これだ!!!
鳥肌が立ちました。
当時住んでいた四国には柏島(高知県)という有名なダイビングスポットがあり
すぐに体験ダイビングを予約しました。
2度目の柏島
奇しくも柏島は初デートの地でした。
柏島は名前に「島」がつきますが、橋がかかっていて車で行くことができます。
「今度はダイビングしに来ようね」と話してたのに
まさか一人で来ることになるなんてなぁ…
雨の中、一人ぽっちで車を走らせると、
ドライブデートの思い出が苦くなって蘇ります。
初めて来たときと変わらず、柏島の海はエメラルドに輝いています。
海辺にあるダイビングショップは白と木目を基調としていて
海外のおしゃれなお店のようで、テンションが上がります。
「こんにちは〜!どうぞ中へ!」
小麦肌がよく似合う中村アンのような
明るいインストラクターのお姉さんが出迎えてくれました。
「今日は体験ダイビングですね!
初めてということですので、ダイビングについて説明していきますね!」
・器材の名前、使い方
・水中で必要なスキル
・困ったときの合図
・潜るポイントの概要・・・
インストラクターさんはゆっくり丁寧に教えてくれます。
ダイビングって専門知識が必要で難しいものだと思っていたけど
説明を聞くと特別難しそうなことはありませんでした。
これなら私でもできるかも…!
わくわくしながら船に乗り込みポイントへ移動します。
「それではカウントダウンするので3・2・1で海に入ってくださーい!」
とインストラクターさん
よし、と意気込み立ち上がろうとすると、
タンクがずしっと重たくよろけそうになります。
よたよたと船の縁までくると、すぐそこに海が広がっています。
ドキドキ、ドキドキ・・・
「心の準備はいつまでもできないと思うので
もう行っちゃいましょー! 3・・・」
ええ・・・!待って!
期待と不安で心臓が口から飛び出そう・・・!
3! 2! 1!
もう、行くしかない・・・!!!
ドボン!・・・・・・
海の中の世界
生まれて初めての海の中は、陸とは全く違う景色が広がっていました。
魚は花吹雪のように舞っていて、サンゴや海藻は絨毯のように生い茂っています。
海の中ってこんな綺麗なんだ・・・!
初めての景色にうっとりとしていると、インストラクターさんが手招きしています。
「クマノミ ニモの仲間だよ」
「カサゴ 綺麗だけど毒持ってるから注意」
これはハゼ、こっちはギンポ、あれは・・・
水中でも文字が書けるスレートで次々に魚の紹介をしてくれます。
こんなに魚が泳いでいるなんて知らなかった・・・
右を見ても左を見ても魚がたくさん泳いでいます。
あ!とインストラクターさんが指差す方をみると
なんと私たちの頭の上でカメが泳いでいました!
ちょうど日が出てきたのか、
水面は太陽の光に照らされてキラキラしていて
カメのシルエットがくっきりと見えます。
すごい・・・こんな世界があったんだ・・・
魚と目線を合わせて泳ぐ時間はあっという間にすぎてしまいました。
「カメさん会いに来てくれましたねー!
普段は深いところにいるんですけど、ラッキーでしたね!」
船に上がるとインストラクターさんは興奮気味に話します。
「なんていうか、全部すごかったです
初めての感覚です・・・!」
インストラクターさんはにっこり笑って
「これから何回も潜りに来てくださいね!」
と言いました。
ダイビングは海との出会いだけじゃない
「今日が初めてのダイビングなんですか?」
お店に戻り着替えを済ませゆっくりしていると、
50代くらいの小柄な女性が声をかけてくれました。
私は、ダイビングに興味はあったけど不安でなかなか挑戦できなかったこと、
水中世界に感動したことを話しました。
「私も一人だと心細いなぁって最初は思ってたのよ。」
女性は笑いました。
「でも、意外と1人のお客さんも多いでしょう?
だから1人でも肩身は狭くないし、
それにお店で知り合って仲良くなって、ダイビング友達ができたりもするのよ」
確かにグループで来ている方もいれば、1人で来ている方もいるようでした。
私自身、インストラクターさんがつきっきりで教えてくれていたし
こうして今も話しかけてもらえて、寂しさや疎外感は感じていませんでした。
ダイビングは、こうゆう「人」との出会いもあるんだなぁ・・・
なんとその女性はダイビングを通じて知り合った男性と結婚して、
いまでも夫婦一緒に海を楽しんでいるそう。
趣味で出会って結婚して、いつまでも仲良く楽しめるなんて素敵すぎる・・・!
また、ダイビングと聞くと体力がある若者がやっているイメージが強かったけど、
お客さんの年齢層は広く、大学生からシニア世代まで様々なことに気がつきました。
陸でタンクを背負った時は「うっ」と思ったけど
海の中ではタンク自体にも浮力が働いて、全く苦にならなかったし、
フィンを履いていると、びっくりするほどスイスイ泳げました。
ダイビングは体力に自信がない人でも楽しめることが分かりました。
「またどこかの海でお会いしましょうね」と女性と約束して、私はお店を後にしました。
行きは重かった足取りも、帰りはこれから潜る海への期待にワクワクしていました。
海で人生が変わる
こうして海に夢中になった私は
日本中、世界中を旅してダイビングを楽しむようになるのです。
そして、これまでの生活では出会うことのなかった
海、人、文化との出会いは
私の価値観をガラッと180度変えることになるのです。
新しいことに挑戦したいけど
不安を感じているあなた、
ぜひ一歩踏み出してみませんか?
これからの人生で1番若いのは今です。
海との素敵な毎日があなたを待っています。