こんにちは!海が大好きな森ちゃんです。
レスキューダイバーライセンスに挑戦中なの!
おお〜!!がんばって課題クリアしてね!
水面で反応のないダイバーをエキジットさせる手順を復習したいんだけど・・・
教えてくれる?
もちろん!一つずつ確認していこう!
「水面で反応のないダイバーをエキジットさせる」
レスキューダイバー講習で難しい課題の一つですね。
筆者もこの課題はだいぶ苦労しました。。。
今日は手順の復習とポイントを説明していきます。
※不明点は必ず担当インストラクターに確認し、指導を仰ぐようにしてください。
目次
水面で反応のないダイバーのレスキュー手順
- 自らの安全を確認、確保する
- 大きな声で呼びかけながら事故者に近づく
- 自分と事故者の浮力を確保する
- 事故者の呼吸を確認する
呼吸がない場合・・・
- レスキュー呼吸をする
- 事故者の器材を外す、自分の器材を外す
- エキジットする
- 救急隊が到着するまでCPRを行う
自らの安全を確認、確保する
水面で誰か浮いてる!!助けに行かなくては!!
という状況ですぐに海に飛び込んでしまうのは得策ではありません。
レスキューで最も大切なことは自分が危険にさらされないことです。
自分が事故者になってしまったら元も子もありません。また救助者が減り、事故者が増えてしまうという状況は、初めの事故者にとっても周囲にとっても最悪です。
事故者と思われる人を発見したら、まずは自分の能力でレスキューできるのか、落ち着いて考えましょう。
自分で安全にレスキューすることができる、かつ海に入る必要があると判断した場合は、
必要な器材を身につけエントリーします。
自分が危険にさらされないことが最重要
大きな声で呼びかけながら事故者に近づく
水面で人が浮いている場合も、必ずしも事故者であるとは限りません。
もしかしたら水面で写真を撮るのに夢中になっている場合もあります。
まずは大きな声で呼びかけたり、水をかけたりして、事故者に反応があるか確認します。
意識はあるが静的パニックになっているときは、救助者が近づくことで動的パニックになり襲いかかってくる場合もあるため、アプローチは遠くからゆっくりしていくようにします。
また「早く助けなきゃ!」と急いでアプローチするのもおすすめできません。
事故者に意識がない場合は、エキジットさせるだけの体力を残しておかなければいけないからです。
焦らず、でも無理のないスピードで事故者に近づきます。
体力を残しながら事故者に近づく
自分と事故者の浮力を確保する
事故者に意識がない場合は、自分と事故者の浮力を確保します。
BCDに空気を入れるかウェイトを外します。
ただしウェイトに関しては、水中での姿勢が不安定になる場合は外す必要はありません。
事故者の呼吸を確認する
事故者のレギュレーターとマスクを外し、呼吸を確認します。
顎を上げ、おでこを下げて気道を確保し、事故者の口元に耳を近づけます。呼吸音と、息の感触があるかどうか確認しましょう。
呼吸があれば、気道を確保しながら安全な場所まで事故者を連れて行きます。
呼吸がない場合はレスキュー呼吸を開始します。
このとき、声の届く範囲に誰かいれば救急隊の要請をしてもらいましょう。
レスキュー呼吸をする
事故者に呼吸がない場合は、レスキュー呼吸をします。
まずは2回連続して行い、そのあとは5秒に1回のペースで行います。
レスキュー呼吸のポイントは、自分の左腕をうまく使い、極力疲れないように行うことです。
やってみたことがある人はわかると思いますが、レスキュー呼吸、
めちゃくちゃ疲れます。
特に左腕がパンパンになります。
自分が疲れてレスキュー呼吸が続けられなければ事故者が助かる確率は下がります。
ポイントは、脇を締め、肘を支点にして事故者の顔を自分に引き付けるようにすること。
こうすることで腕の負担が減り、長く楽にレスキュー呼吸を続けられます。
レスキュー呼吸は左腕をうまく使い、なるべく疲れないように行う
事故者の器材を外す、自分の器材を外す
最終的に事故者は海からエキジットさせなければいけないため、浜まで泳ぎながら器材を外していきます。
レスキュー呼吸を続けながら
レスキュー呼吸は5秒に1回のペースで行わなくてはいけません。
このペースだと、1呼吸につき、器材を外す手順は1箇所だけしかできません。
うまく器材が外れない場合は、1回で外すのは諦め、レスキュー呼吸を優先します。
BCDは最初にエアーを抜いておくと外しやすいです。
また、1呼吸につきバックル1つのペースで、焦らずに外していきます。
事故者のフィンは外す必要ありません。自分のフィンは、右手で右足を、左手で左足を外しましょう。
フィンを片手で脱ぐのも慣れが必要なので、普段から練習しておくといいですね。
なお、左足を外すときは事故者の頭部を右手で支えてください。
エキジットする
器材を全て外しビーチまでたどり着いたら、いよいよエキジットです。
エキジットする前に2回連続してレスキュー呼吸をし、エキジットして、再度2回連続してレスキュー呼吸をしてCPRに続きます。
ただし、レスキュー呼吸を中断できるのは30秒間だけです。
エキジット方法はいくつかありますので、自分と事故者の体格や、自分の得意な方法でエキジットしましょう。
救急隊が到着するまでCPRを行う
エキジットしたらCPRをして救急隊を待ちます。
レスキューのポイント
まずは、自分の安全
繰り返しになりますが、レスキューする上で最も重要なことは自分が危険にさらされないことです。
決して自分のできる範囲を超えてレスキューしようとしないでください。
周囲に助けを求める
レスキュー課題では、救助者が自分1人だけ、というシナリオで行いますが、実際はそのような状況になることは稀です。
浜まで事故者を連れていくまでに救急車を呼んでもらう、AEDを持ってきてもらう、エキジットは手伝ってもらう・・・
レスキューダイバーライセンスを持っていない人でも、手伝ってもらうことは十分に可能です。
現場にいる人には積極的に助けてもらいましょう。その方が事故者が助かる確率も上がります。
レスキュー課題中も、周囲に助けを求める呼びかけをするようにしてください。
最善の方法は何か考える
溺れてる人がいる!となると、いち早く助けたいと思うのが普通です。
ですが、一度立ち止まり、落ち着いて、考えましょう。
海に入るときにタンクは必要?
軽器材3点セットで十分?
船は近くにいないだろうか?
海況は危なくないだろうか?
危険な生物はいないだろうか?・・・
状況を整理し、あらゆる可能性を考え、その中で最善の方法は何か見極める必要があります。
メンタルケアも大切
意識の戻った事故者や、手伝ってくれた周囲の人、また自分自身にも大きなストレスがかかっています。
「大丈夫ですよ」「手伝ってくれてありがとう」など、相手の立場に立って声をかけられる、素敵なレスキューダイバーをぜひ目指してください。
ひどい事故の後はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の可能性も高まります。
いつもと違う言動をする、落ち着きがない、などの兆候が現れた場合はすぐに専門の医療機関に相談してください。
まとめ
水面で反応のないダイバーをレスキューする手順とポイントを紹介しました。
レスキューダイバー講習の課題は、難しいものが多いです。
ですが、事故者のみならず、自分自身とバディを守るための大切なスキルが身につきますので、真剣に取り組んで身につけてください。